はっ……
(・_・ )
( ・_・)
ってタイかよ!!!!そうだ!俺旅行してたんだ!思い出した!!全部思い出したぁっ!!
というお約束の一人ビックリと共に目覚め、宿を出る準備を開始した。
11時間程眠り続け、昨日の寝不足分も取り戻したので、今日から本格的に観光をしよう。
すぐに宿を出て、昨日行った旅行代理店のオススメの宿にチェックインした。
こちらはトイレ・シャワーは共同だが部屋は清潔で広く、服をかける棚とバスタオルがついて昨日の宿と同じ値段だった。割安感があり、2日分まとめて払ってしまった。
さあ出かけよう!
とりあえず歩いて、タイの王道観光スポットである王宮の方へ向かってみる。前回時間がなくて来れなかったのだ。
途中、大きな公園があったので、突っ切って行く事にした。
すると、ハトの餌が詰まっていると思われる袋を大量に抱えた女が近寄ってきて、袋を突き出し、
「ほら!これ!買いなよ!」
としつこく勧めてくる。
俺が「いりません」と何度断ってもピッタリ着いて来て袋を突き出し続けるので、俺は途中から無視して歩き出すことにした。
すると、なんと女は袋を俺の背中とリュックの間に強引にねじ込み、走って俺から離れて
「おいドロボー!!金払えよ!!!」
と叫びだしたのだ!
ムカついたので俺はリュックから袋を取り出し、「うらぁッッ!!」とそこら辺にぶん投げて、スタスタ歩いて行った。
女は「何すんのよ……」と言った顔で俺を見ていたが、特にキレて追ってくることは無かった。
フン、腰抜けが………
と思って歩いていると、ハトの餌が詰まっていると思われる袋を大量に抱えた女が近寄ってきた。
デジャヴだ……
それからさっきと全く同じ事を繰り返し、再び歩き出した所で公園を見渡してみた。
すると、そんな女がうじゃうじゃいた。
だめだ……この公園は入っちゃダメな公園なんだ……ッ!!
俺はすぐに公園を出て、道路を渡って反対側から王宮を目指すことにした。
10分程歩いて王宮に着き入り口に入ると、中は欧米人の観光客であふれており、それを狙うタクシードライバーや物売り、銃を持って不機嫌そうに威圧感をビシバシ出している警備員などがギラギラと目を光らせていたのだ。
塀の外から少しだけ見える王宮の塔の先端も、金色ピカピカでギラギラ輝いており、ありがたみの薄い色だなぁと思ってしまう。
なんだかそれらを見て興がそがれてしまい、俺は王宮へ入るのをやめてしまった。入場するだけで350Bもするのだ。宿泊なら2泊分、食費なら4日分、交通費ならバンコク近郊の町まで鉄道で行って帰ってこれる。
タイにはまだまだいるのだから、来ようと思えばまたチャンスはたくさんあるだろうし。……と思いつつ、今後ここに来ることはもう無いだろうなぁという予感が頭の中に渦巻くのだった。
することもなくなったので、近くのバザールをぶらぶらと冷やかして回った。バザールには本当に様々な品が置いてあった。誰が買うのかと疑問になるようなガラクタのよくわからない形をした金属製品や、ハエがたかり過ぎて半分くらい真っ黒になった生肉。それでもしばらく見ていると、たまに地元の人と思われるおばちゃんがその肉やガラクタを手にとってしげしげと見つめた挙句、買っていくのだ。
俺の理解の範疇外の価値観で買い物をするおばちゃん。一体彼女の頭で、どんな思いが巡り、どんな葛藤をした挙句、「買う」ことに至ったのだろう。このガラクタを、どんな場面で、どのようにして使うのだろう。
ああよかった。思い出した。旅ってやっぱ面白い!